設備点検チェックリスト(チェックシート)の作り方|設備別の項目例と判定基準の書き方

設備点検チェックリスト(チェックシート)とは、設備ごとに「どこを・どう見て・どうなっていれば良いか」を1行ずつ書き出し、点検のたびに結果を記入していく一覧表です。

作り方の要点は3つ。項目は「見る場所と見る現象」を1行に1つだけ書くこと、判定基準は数値の範囲か比較の対象で書くこと、項目数は現場が毎回やりきれる数に絞ることです。本記事では、コンプレッサー・ポンプ・空調機・分電盤の項目例を表で示したうえで、この3点を順に解説します。

チェックリストづくりで手が止まるのは、たいてい「項目に何を書けばよいか分からない」ところです。白紙から考えるより、たたき台を自社の設備に合わせて書き換えるほうが早く進みます。この記事では、日常点検と定期点検の項目例を設備の種類ごとに表で用意しました。そのまま書き写せば完成、というものではなく、自社の設備に合わせて足す・削る・数値を入れるための出発点として使ってください。対象設備の絞り込みから周期の設定まで、点検表そのものを設計する手順は設備点検表の作り方|点検項目の決め方と、記録が続く運用のコツで解説しています。本記事はその続きとして、項目の中身と書き方に絞ります。

項目例を使う前に決めておくこと

項目を書きはじめる前に、次の3点だけ決めておきます。ここがあいまいなまま項目例を写すと、使われない表ができあがります。

  • 日常点検用か、定期点検用か。日常点検は、設備を日々使う人が短時間で異常の兆候に気づくためのもの。定期点検は、保全担当者や専門業者が時間をかけて劣化の進み具合を確かめるものです。担当者も所要時間も違うため、1枚に混ぜずに分けます。故障する前に手を打つ予防保全のチェックリストを作りたい場合は、定期点検用の表がその中心になります。
  • 1枚の単位。「1台の設備 × 1つのタイミング」を1枚にするのが基本です。同型機が並んでいる場合は、項目を共通にして設備の管理番号の欄だけを変えます。
  • 誰が点検するか。点検する人が持っている知識と道具で判定できる項目しか、その表には載せられません。測定器が必要な項目を日常点検に入れても、空欄になるだけです。

設備別 点検チェックリストの項目例

ここからが項目例です。表は「点検項目」「判定基準の書き方例」「記録のしかた」の3列でそろえています。使う前に、次の3点を必ず確認してください。

  • 取扱説明書が優先です。ここに挙げたのは、機種を問わず共通する一般的な確認項目です。メーカーの取扱説明書や整備要領書に点検項目・基準値・手順の指定がある場合は、そちらに合わせてください。
  • 数値は空欄にしてあります。「〇〇から〇〇」と書いた箇所は、取扱説明書の値と自社の運転条件から決めて記入します。
  • 法令にもとづく点検は別に確認が必要です。設備の種類や規模によっては、法令で点検の項目・周期・実施者が定められています。その内容は制度ごとに異なるため、この項目例で代用せず、該当する法令の一次資料から項目を取ってください。

コンプレッサー(空気圧縮機)の点検チェックリスト例

日常点検(運転中に、見る・聞くで確認できる範囲)

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
吐出圧力(圧力計の指示値) 〇〇から〇〇MPaの範囲内にある 数値を記入
異音・振動 前回の点検時と比べて、音や振動が大きくなっていない。金属がこすれる音、周期的にたたくような音がしない 良・否。気づきは備考へ
油量(給油式の場合) 油面が油面計の上限線と下限線の間にある 良・否
油漏れ・エア漏れ 本体の下と配管の継手に、油のにじみ・たまりがない。配管や継手から空気の漏れる音がしない 良・否。否は箇所を記入
ドレンの排出 空気タンクとドレン排出部からドレンを排出した。自動排出式の場合は、排出されていることを確認した 実施のチェック
操作盤の表示 警報ランプや異常の表示が出ていない 良・否。否は表示内容を記入

定期点検(月次から年次。保全担当者または専門業者が実施)

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
吸込みフィルタ 目詰まり・破れがない 良・否。清掃か交換かを記入
潤滑油の状態と運転時間 油に白濁や著しい変色がない。運転時間が、取扱説明書の示す交換の目安に達していない 運転時間を数値で記入
ベルト(ベルト駆動式の場合) ひび割れ・摩耗がない。張りが取扱説明書の基準内にある 良・否
運転電流 〇〇A以下で、前回の値から大きく変化していない 数値を記入
冷却部(クーラー・冷却ファン) ほこりの付着による目詰まりがない 良・否。清掃したら記入
安全装置(安全弁・圧力スイッチなど) 取扱説明書に定められた方法で、作動を確認した 実施のチェックと結果

ポンプの点検チェックリスト例

日常点検

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
吐出圧力(圧力計の指示値) 〇〇から〇〇MPaの範囲内にあり、針が大きく振れていない 数値を記入
異音・振動 前回の点検時と比べて、音や振動が大きくなっていない。砂利をかむような音がしない 良・否。気づきは備考へ
軸封部からの漏れ 漏れの量が、取扱説明書の示す通常の範囲を超えていない。床面に新しい水たまり・油たまりがない 良・否
軸受・モーターの温度 表面温度が〇〇度以下で、前回の値から大きく上がっていない(温度計で測る。回転部には触れない) 数値を記入
配管・フランジ・バルブ 継手やバルブのまわりに、漏れ・にじみがない 良・否。否は箇所を記入

定期点検

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
運転電流 〇〇A以下で、前回の値から大きく変化していない 数値を記入
軸受の給油・グリース 取扱説明書の示す量と時期で補給した。油に汚れや変色がない 実施のチェック
軸継手(カップリング) ゴム部品に摩耗・ひび割れがない。ボルトにゆるみがない 良・否
基礎ボルト・配管の支持 ゆるみ・脱落がない。合いマークを付けている場合は、ずれていない 良・否
ストレーナ(ある場合) 異物による目詰まりがない 良・否。清掃したら記入

空調機(業務用エアコン)の点検チェックリスト例

日常点検(週ごと・月ごとなど、使用者が見て確認できる範囲)

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
室内機フィルタの汚れ フィルタの網目がほこりでふさがっていない 良・否。清掃したら記入
冷え・暖まりの具合 設定どおりに冷える・暖まる。以前より効きが悪くなっていない 良・否
異音・振動(室内機・室外機) 前回の点検時と比べて、音や振動が大きくなっていない 良・否。気づきは備考へ
水漏れ・ドレン排水 室内機の下や天井面に、水滴・しみがない 良・否。否は場所を記入
室外機まわり 吸込み口・吹出し口が物でふさがれていない。熱交換器のフィンに著しい汚れやつぶれがない 良・否
配管・熱交換器の外観 油のにじみ、著しいさび・損傷、いつもと違う霜の付き方がない 良・否。否は箇所を記入
リモコンの表示 異常を示す表示が出ていない 良・否。否は表示内容を記入

定期点検(季節の切り替え前など。専門業者に依頼する項目を含む)

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
熱交換器(室内機・室外機) フィンの間がほこりや汚れで詰まっていない 良・否。洗浄したら記入
ドレンパン・ドレン配管 汚れやぬめりによる詰まりがなく、水が流れる 良・否。清掃したら記入
送風機(ファン・ベルト) 羽根に汚れの固着や破損がない。ベルト駆動式は、ベルトにひび割れ・摩耗がない 良・否
吸込み・吹出しの温度差 温度差が〇〇度以上あり、前年の同じ時期の値から大きく変化していない 数値を記入
運転電流・運転圧力(専門業者) メーカーの基準内にあり、前回の値から大きく変化していない 業者の報告書の数値を転記

なお、フロン類を冷媒に使う業務用の空調機・冷凍冷蔵機器には、法令にもとづく点検があります。対象となる機器、点検の種類と頻度、記録すべき事項は上の項目例とは別に定められているため、一次資料で確認してください。制度の概要は、中立メディア「設備メンテナンスNews」が官公庁の資料をもとに解説しています。

分電盤・制御盤の点検チェックリスト例(外観の目視)

電気設備は感電のおそれがあるため、ここでは扉を開けずに、外から見える範囲の巡視項目だけを挙げます。盤の内部の点検や測定は、電気の担当者または専門業者に任せてください。

点検項目 判定基準の書き方例 記録のしかた
盤の外観 扉や箱体に変形・破損・著しいさびがない。扉が閉まり、施錠されている 良・否
異音・異臭 うなるような音が前回より大きくなっていない。焦げたようなにおいがしない 良・否。否は直ちに連絡
盤のまわり 盤の前に物が置かれていない。盤の上や周囲に、水漏れ・結露の跡がない 良・否
表示灯 点灯・消灯の状態が通常どおりである(通常の状態を表に書いておく) 良・否
電圧計・電流計(付いている場合) 指示値が〇〇から〇〇の範囲内にある 数値を記入
配線の引込み部 外から見える範囲で、ケーブルの被覆に損傷がない。すき間から小動物が入った跡がない 良・否

受変電設備をはじめとする電気設備の定期点検は、法令や自社の定めにもとづいて、資格を持つ担当者や専門業者が行うものです。年次点検表のように定期点検の様式を整える場合も、項目と周期は一次資料と自社の定めから取り、上の表は日々の巡視用として使い分けてください。

項目の書き方 ── 1行に「見る場所」と「見る現象」を1つずつ

項目例を自社用に書き換えるとき、また新しい設備の項目を起こすときは、次の形にそろえます。

よくある書き方 何が困るか 書き直した例
本体の状態を確認する どこの何を見るのかが人によって変わる 本体の下の床面に、油のにじみ・たまりがない
異音・振動・漏れがないこと 3つのうちどれが否だったのか、記録に残らない 「異音」「振動」「漏れ」を3行に分ける
圧力が適正であること 「適正」の中身を知っている人しか判定できない 圧力計の指示値が〇〇から〇〇MPaの範囲内にある
フィルタ清掃 確認する項目なのか、作業の指示なのかが分からない フィルタの網目がほこりでふさがっていない(ふさがっていたら清掃し、備考に記入)

あわせて、文の向きをそろえます。「漏れがない」「範囲内にある」のように、書いてあるとおりなら良、そうでなければ否になる文で統一してください。「漏れがあるか」と「範囲内にあるか」が同じ表に混ざると、「はい」が良を指す行と否を指す行ができ、記入の誤りが増えます。項目の並びは、設備のまわりを歩いて見る順番にします。

良否の判定基準の書き方 ── 誰が点検しても同じ結果にする

判定基準は、項目の性質によって書き方が決まります。上の項目例も、次の4つの型のどれかで書いてあります。

基準の型 向いている項目 書き方
1. 数値の範囲 圧力、電流、温度など計器で読めるもの 下限と上限を単位つきで書く。計器の盤面に範囲の印を付けておくと、表を見なくても判定できる
2. 目印との比較 油量、ボルトのゆるみ、バルブの開閉位置 油面計の上下限線、ボルトの合いマークなど、現物に付けた目印に対して「間にある」「ずれていない」と書く
3. 前回との比較 異音、振動、におい、効き具合 「前回の点検時と比べて大きくなっていない」と比較の相手を書く。否とする音やにおいの特徴も添える
4. 状態の描写 汚れ、さび、ひび割れ、漏れ 「網目がふさがっていない」「床にたまりがない」のように、否の状態が目に浮かぶ言葉で書く。良い状態と悪い状態の写真を表に貼ると、さらにぶれが減る

「異常なし」「良好であること」「適正であること」は、判定基準ではなく判定の結果です。基準の欄にこの言葉が残っていたら、上の4つの型のどれかに書き直します。数値で測る項目に「注意」と「警告」の2段階のしきい値を設ける考え方は、設備点検表の作り方のステップ3で解説しています。

数値で記録する項目と、良否のチェックで足りる項目

すべての項目を数値で残す必要はありません。分け方の目安は次のとおりです。

  • 数値で残す項目: 計器でそのまま読めて、少しずつ変化していくもの。圧力、運転電流、温度、運転時間、測定した振動の値などです。範囲内であっても数値を書いておくと、「範囲内だが、半年かけて上がり続けている」という変化に気づけます。良否のチェックだけでは、この情報は残りません。
  • 良否のチェックで足りる項目: あるか、ないかで決まるもの。漏れ、破損、警報の表示、異音の有無などです。ただし否のときは、場所と程度を備考に書くことを決めておきます。

数値の欄には単位をあらかじめ印字し、読む計器が複数ある場合は計器の名前か番号も書いておきます。貯めた測定値の推移から手を打つ時期を判断する保全の考え方は、中立メディア「設備メンテナンスNews」の用語解説を参照してください。

異常があったときの欄 ── 「否」を付けたあとを決めておく

チェックリストは、すべて「良」の日のためではなく、「否」が付いた日のためにあります。否を付けたあとに何を書き、誰に伝えるかが表の中で決まっていないと、否を付けること自体がためらわれるようになります。次の欄を用意してください。

  • どの項目が、どんな状態だったか。場所と程度を一言で書く欄です(例: 吐出側の継手から油がにじみ、床に手のひら大のしみ)。
  • その場で何をしたか。清掃した、増し締めした、運転を止めた、何もしていない、のいずれかが分かるようにします。
  • 誰に、いつ連絡したか。連絡先は表の欄外にあらかじめ印字しておきます。
  • 運転を続けてよいか。「直ちに停止して連絡する項目」と「運転を続けながら報告する項目」を、項目ごとに印で区別しておくと、点検者が判断を抱え込まずにすみます。

修理や部品交換まで進んだ異常は、チェックリストの備考で終わらせず、その設備の履歴として別に記録します。報告と記録の書き方は、次の記事で解説しています。

項目数の絞り方 ── 1行ずつ「否のとき何をするか」を言えるか

項目例をすべて載せると、たいてい多すぎます。削るかどうかは、1行ずつ次の問いで判断します。

  • 否になったとき、取る行動が決まっているか。否でも誰も何もしない項目は、点検しても結果が変わりません。行動を決めるか、項目を外します。
  • 点検者の持っている道具と知識で判定できるか。できない項目は、定期点検の表に移します。
  • 毎回見る必要があるか。ゆっくりとしか変化しない項目は、頻度の低い表に移します。
  • ほかの行と同じことを確認していないか。重複は1行にまとめます。

仕上げに、実際に現場で1回点検して所要時間を計ってください。日常点検は、作業の合間に無理なく終わる時間に収まっていることが条件です。収まらなければ、項目の入れ替えではなく、削るか頻度の低い表へ移すかで調整します。

チェックリストを現場に出す前の最終確認
  • 判定基準の欄に「異常なし」「適正」が残っていない。数値の範囲、目印、前回との比較、状態の描写のいずれかで書かれている。
  • 1行で確認することが1つだけになっている。否が付いたとき、何が否だったのかが行を見れば分かる。
  • 「〇〇」の空欄が残っていない。取扱説明書と自社の運転条件から数値を入れ終えている。
  • 別の人に点検してもらい、同じ結果になった。作った本人以外が現物の前で使ってみて、迷った行を書き直してある。

チェックリストの見直し方

チェックリストは、一度作って終わりにすると現場の実態から離れていきます。見直すきっかけは、次の4つです。

きっかけ 見直す内容
故障が起きたが、点検では気づけなかった その故障の前ぶれになる現象を、項目として追加できないかを検討する。チェックリストを育てる最も確かな材料になる
長いあいだ「良」しか付いていない項目がある 頻度を下げるか、定期点検の表へ移す。ただし安全に関わる項目と、法令にもとづく項目は、自社の判断だけで外さない
点検者によって判定が分かれる項目がある 判定基準を書き直す。数値の範囲にできないか、目印や写真を付けられないかを考える
設備の更新・改造、運転条件の変更があった 項目と数値の範囲を、新しい取扱説明書と運転条件に合わせて入れ直す

これらとは別に、年に1回は全体を見直す日を決めておきます。改訂したら、表の欄外に改訂日と変更した内容を1行で残し、古い版が現場に残らないよう差し替えます。項目を増やすときは、同時に減らせる項目がないかを必ず確認してください。足すだけの見直しを続けると、数年で誰も最後まで埋められない表になります。

点検の頻度そのものを上げるか下げるかの考え方は、次の記事で解説しています。

また、点検は兆候を見つける活動であり、見つけた劣化に対して交換や整備を予定どおり行う側は「保全計画」として別に管理します。

チェックリストをシステムで管理する場合(設備管理の匠WEB版の例)

ここまでの書き方は、紙でもエクセルでもそのまま使えます。設備管理システムに載せる場合は、表の3つの列がそれぞれ設定項目に置き換わります。当社の「設備管理の匠WEB版」の点検機能を例にすると、次のようになります。

  • 「記録のしかた」の列は、項目ごとの入力形式になる。点検項目ごとに、数値・選択・文字・日付などの入力形式を決めて登録します。数値の項目には単位を持たせられます。
  • 数値の判定基準は、上限値・下限値として登録する。項目ごとに、注意の上限値・下限値と、警告の上限値・下限値を登録できます。数値を入力すると、その値が範囲を外れているかどうかで「正常」「注意」「異常」が自動で判定されるため、点検者が範囲を覚えている必要がありません。
  • 良否の項目は、選択肢として登録する。選択式の項目では、選択肢のそれぞれが正常・注意・異常のどれにあたるかを決めておけます。「良・否」の二択だけでなく、「良・要観察・否」のような3段階にもできます。
  • 点検の対象は、機器台帳の設備に紐づく。結果は点検日・点検者とともに項目単位で蓄積されるため、同じ項目の数値を日付順に追うことができます。

点検台帳とタブレットアプリでの点検入力は、フリープランでも利用できます。本記事の項目例を1台分だけ登録して、現場で回るかどうかを試すところから始められます(フリープランの登録はこちら)。なお、点検アプリでの写真撮影は有料プランの機能です。無料でどこまでできるかの全体像は、次の記事で解説しています。

よくある質問

Q. チェックリスト、チェックシート、点検表は何が違いますか?

A. 現場ではほぼ同じ意味で使われており、厳密な使い分けの決まりはありません。あえて分けるなら、確認する項目の一覧に重きを置いた呼び方がチェックリスト、結果を書き込む用紙に重きを置いた呼び方がチェックシートや点検表です。どの呼び方でも、必要なものは「項目」「判定基準」「結果の記入欄」の3つで変わりません。社内では呼び方を1つに決めておくと、様式を探すときに迷いません。用語の整理は用語集「点検表」もご覧ください。

Q. この記事の項目例や、市販のテンプレートをそのまま使ってもよいですか?

A. たたき台としては使えますが、そのまま現場に出すことはおすすめしません。理由は3つあります。数値の範囲が自社の設備の値になっていないこと、自社の設備に付いていない部位の項目が混ざること、そして過去に自社で起きたトラブルの前ぶれが入っていないことです。取扱説明書と照らして数値を入れ、不要な行を削り、ベテランの担当者に「この設備が壊れる前には何が起きるか」を聞いて行を足す。この3つの手を入れてはじめて、自社のチェックリストになります。

Q. 年次点検表は、日常点検のチェックリストと同じ作り方でよいですか?

A. 項目と判定基準の書き方は同じですが、重心が変わります。年次のように間隔の長い点検は、良否よりも測定値を残すことが中心です。前回の値を並べて書ける欄を設けると、1年分の変化がその場で分かります。また、分解や停止を伴う項目が入るため、実施者(自社か専門業者か)と、停止の要否を項目ごとに書いておくと段取りがしやすくなります。専門業者に依頼する場合は、業者の報告書の数値を自社の表に転記して、推移を自社で追えるようにしておきます。

Q. 法令で決まっている点検も、同じチェックリストにまとめてよいですか?

A. 用紙を分けるかどうかは自由ですが、項目・周期・記録すべき事項は自社で決めるものではない点に注意してください。法令にもとづく点検は、制度ごとに求められる内容が異なります。該当する法令と所管官庁の一次資料から項目を取り、自主的に行う点検の項目とは区別がつくようにしておくと、見直しのときに誤って削ることを防げます。

設備保全の用語や保全方式の正確な定義は、当社が運営に関わる中立メディア「設備メンテナンスNews」の用語集で、官公庁の一次資料にもとづき解説しています。あわせてご覧ください。

本記事の項目例は、設備点検チェックリストを作成する際の一般的な考え方と書き方を示したものであり、個別の設備の安全や法令への適合を保証するものではありません。点検の項目・基準値・手順はメーカーの取扱説明書を優先し、法令にもとづく点検の要件(対象・項目・頻度・記録)は、該当する法令および所管官庁の資料をご確認ください。

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